イチゴミルクへの言い訳
日差しがとても眩しくて、外で気持ちよさそうに鳥も鳴いていたから、散歩に出ることにした。
家の近くにある八百屋の横を通りかかり、少し日陰に入る様に中を覘いた。そこで、赤く小ぶりなイチゴを見つけ買って帰ることにした。パックの中にたくさん入っているのに結構安かった。春前になると甘味の少し落ちた小ぶりのイチゴがこうやって安く手に入る。家に帰ってこのたくさんのイチゴを贅沢につぶして、砂糖と牛乳をたっぷりかけてイチゴミルクをつくって食べようという計画だ。
散歩に出たはずなのに、そういう訳でほんの少し歩いただけで家に帰ってきてしまった。
冷蔵庫を開ける瞬間に牛乳が無いことを思い出した。そういえば・・昨日お風呂あがりに飲んでしまったのだった!
でも、もう朝のように外で鳥が「外は気持ちいいよ。」鳴いていなかったから、もう一度外に出る事はやめて「いちごジャム」を作ることにする。
イチゴジャムは、イチゴと砂糖を煮詰めるだけで出来上がる。
15分くらいコトコト、コトコト。
もう部屋中、イチゴの香りが満開。
やわらかい食パンをパリッと焼いて、その上にのせて食べる。イチゴたちが口の中で踊る。
友達に「マーガリンよりバターの方が体にいいよ」と言われて、最近買ったばかりのバターとイチゴジャムが絡み合って食パンとの美味しいハーモニーを奏でる。
そこには、何度もうなずきながら微笑み、イチゴパンをほおばる自分がいた。
その頃には、どこかにいってしまったイチゴミルクへの想い。。あんなに想像をめぐらしていたのに、足が動かない。
今日は久々の休日だから、ま、いいっか。
ジャムに牛乳入れたら、またいつでもイチゴミルク飲めるし。(`∀´)
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